ここでは、お客様にお茶を出す際のマナーを解説します。
丁寧な所作でおいしいお茶をお出しすれば、お客様は良い気分になり商談は順調に。
最近は、お茶を出さない企業も増えてきていますが、知っておいて損はありませんよ。
目次
お茶出しは「タイミング」と「順番」が大事
お茶を出す際は、まずタイミングが大切です。
お客様と担当者の挨拶が終わり、商談に入る前にお出しします。
さらにお茶を出す際には、出す順番も重要。
上座から下座、つまり席次が上の人から順にお出しします。
出す際は、お客様の右側から。
なお、書類のそばには置かないようにしましょう。
- 右側から出すのが難しい場合は?
部屋が狭く、お客様の右後ろに回り込むのが難しい場合もあります。
その際には「こちらから失礼します」と一声かけ、左側から出します。
- お茶を置くスペースがない
机の上が書類でいっぱいで、お茶を置くスペースがない場合は、担当者に「お茶はどちらに置けばよろしいでしょうか?」と聞きましょう。
机の上に置かれている物を、勝手に動かしてはいけません。
お茶を出す手順
お客様にお茶を出す際は、以下の手順で行ないます。
(1)人数を確認する
お客様の人数と、自社社員の人数を確認します。
(2)お茶を淹れる
おいしいお茶を淹れるには、次の手順で行ないます。
- 沸騰したお湯を、人数分の湯飲み茶碗に入れて温める。入れる量は、湯飲み茶碗の8分目ほどにする。
- 急須に茶葉を入れる。(ティースプーン1杯×人数分)
- 茶碗のお湯を急須に入れ、ふたをする。
- 1分ほどたったら、香りや色が偏らないよう茶碗に順番に注いでいく。
一般に、煎茶は沸騰したばかりのお湯よりも、70℃〜80℃ぐらいのお湯で淹れると美味しいといわれています。
茶葉の種類にもよりますが、いったん湯飲み茶碗にお湯を注いでから淹れると、お茶を余らせることなく、美味しいお茶を淹れることができます。
(3)人数分のお茶と茶たくを、お盆に乗せて持っていく
お茶を入れた茶碗と茶たく、ふきんをお盆に乗せて運びます。
もしお茶がこぼれてしまっても、茶たくが汚れることのないよう、茶碗と茶たくは別々にします。
(4)ドアを3回ノックして入室
ドアを3回ノックし、「失礼いたします」と声をかけてから部屋に入ります。
ノックの回数が2回だと、化粧室(お手洗い)に入るように見えるのでNGです。
(5)お盆を置いてお茶を出す
お盆をサイドテーブルか、机の下手に置きます。
その後、茶碗の底をふきんで軽くぬぐい、茶たくに乗せます。
お客様に出す際には、お客様の右後ろから「どうぞ」と言葉を添えてお出しします。
お客様の最上位者から順にお茶を出し、お客様全員に出し終えてから、自社の担当者に出します。
(6)退室
お茶を出し終えたら、お盆を脇にはさみ退室します。
退室する際には、ドアの前で「失礼いたしました」と挨拶。
一礼して退室します。
なお、商談が進んでいる場合は言葉は発せず、会釈だけにしましょう。