今やビジネスで欠かせない「メール」。
メールは、互いの都合の良い時に連絡できるので非常に便利です。
また電話とは違い、連絡事項・伝達事項を文字で確認することができます。
でも「メール」は諸刃の剣。
使い方によっては、取り返しのつかないトラブルを招くこともあります。
ここではビジネスメールのマナーについて、解説していきます。
目次
メールが向いている連絡事項とは?
まず、メールはどのような場合に向いているかを考えていきましょう。
メールでの連絡が向いているもの
- 日時や数値など、文字ベースで確認した方がよいもの。
(※緊急性が高い場合は、メール送信後、電話で確認する。) - 個人情報・機密情報が含まれていないもの。
- 文書と画像、両方を一度に知らせたいもの。
- 一度に多くの人数に知らせたいもの。
メールでの連絡が不向きなもの
- 早急に返事がほしいもの。
- 個人情報・機密情報が多数含まれているもの。
メールはいつでも連絡できるのがメリットですが、緊急性の高い連絡事項には向きません。
相手が、すぐにメールを見てくれるとは限らないからです。
しかし日時や見積金額など、文字ベースで確認したい事項が含まれている場合はメールが向いています。
よって日時や金額などについて、早急に連絡したい場合は「メールと電話の合わせ技」が有効。
メールを送ったら、必ず相手に電話をかけ、「メールを受け取ったか否か」を確認しましょう。
メールを出す時のマナーとは?
ビジネスメールの送信は、あらゆることに配慮しなければなりません。
ここでは、メールを出す際のマナー・心がけを具体的に紹介していきます。
(1)深夜・早朝のメールは避ける
ビジネスメールは基本的に、携帯電話でなくパソコンに送ります。
その際、メールを出す時間帯にも気を配りましょう。
いくら都合の良い時間にメールができるからといって、深夜や早朝に送るのは失礼。
パソコンで受けたメールを、携帯・スマホに転送されるよう設定している人もいます。
早朝や深夜に送ると、相手が寝ている間に携帯の通知音が鳴るかもしれません。
メールを送る時間は、原則として朝9時〜夜9時の間にしましょう。
(2)「言葉」に気をつけよう
メールは「言葉」がいつまでも残るもの。
言葉遣いや、文章の書き方によって仕事の成果が全く違ってきます。
メールを出す際の言葉遣いは、次の3つに気をつけましょう。
正しい敬語で書く
ビジネスメールは、正しい敬語で書くよう心がけましょう。
特に陥りやすいのが「二重敬語」。
メールは緊張のあまり、「お客様がおっしゃられた」「先日の打ち合わせでご覧になられた資料は〜」など丁寧すぎる表現になりがちです。
正しく簡潔な敬語で、明快に意思を伝えられるよう心がけましょう。
また、いくら丁寧な言葉でも学生気分のような文章はNG。
「お世話になっております!」など「!」(エクスクラメーションマーク)をつけるなどは論外です。
誤解されやすい表現・否定的な言葉は避ける
最近、若者の間で「LINEいじめ」が問題になっています。
その発端はたいてい、「自分の書いた文章が相手を不快にさせた・誤解された」ことです。
たとえば「〇〇ちゃんが紹介してくれた映画って、面白くない?」を「面白くない」と書いてしまっただけで、LINEグループからはずされ、深刻ないじめに発展することもあります。
ビジネスメールも同様。
メールはその後のフォローが難しいため、ちょっと言葉の選び方を間違えると、会社に大損害を与える恐れがあります。
「誤解を生みやすい表現」「攻撃的・感情的な文章」「相手を否定する言葉」は厳禁。
わかりやすい表現で、クッション言葉をはさみながら、相手を敬う気持ちでメールを書きましょう。
もし何か気持ちがたかぶることがあったら、頭をクールダウンして、翌日にメールを出すようにしましょう。
挨拶と結びの言葉を忘れずに
メールを出す際には、必ず「挨拶」を入れましょう。
急いでいると、いきなり用件から書きたくなりますが、そこをグッとこらえて「挨拶」を。
文章の最初には必ず「お世話になっております。」という挨拶文を入れます。
例:
「お世話になっております。
△△商事のサトウです。
6月8日(水)のお打ち合わせは、10時30分からでお願いいたします。」
さらに好感度アップをねらうなら、挨拶の前に相手の名前を入れたり、「いつも」「大変」「よろしく」などを入れましょう。
例:
「ヤマダ様、いつも大変お世話になっております。
△△商事のサトウです。
6月8日(水)のお打ち合わせは、10時30分からでよろしくお願いいたします。」
もうワンランク上を目指すなら、思いやりの感じられる言葉を。
「ご多忙のなか、誠に恐縮ではございますが、何卒よろしくお願い申し上げます」
「〇〇様にお目にかかれる日を心待ちにしております」
こんな一言が入っているだけで、印象はガラリと変化。
相手も、あなたと会うのが楽しみになりますよ。
(3)「件名」は内容がわかるものを
メールのタイトルは、「ひと目で内容がわかるもの」にしましょう。
「6月8日打ち合わせ時間変更の件(△△商事・サトウ)」
「【質問】ホームページ制作お見積りの件(△△商事・サトウ)」
件名だけで用件の内容がわかれば、商談がスムーズに運び、あなたの業績アップにもつながります。
(4)文末には必ず署名を入れよう
メールの最後には、必ず署名を入れます。
署名には、次の8項目を入れます。
- 社名
- 部署名
- 氏名
- 会社の住所
- 電話番号
- FAX番号
- メールアドレス
- 自社サイトのURL
具体的に書くと、以下のようになります。
△△商事株式会社 第一営業部 サトウイチロウ
〒150-6000 東京都渋谷区恵比寿〇−〇−〇
TEL:03-1111-1111
FAX:03-1111-1112
Email:sato_ichiro@×××.ne.jp
URL:http://www.×××.com
誤ったメールを送ってしまったら?
「書きかけのメールを送ってしまった!」
そんなミスに気づいたら、迅速に対応を。
相手に対し、すぐに「お詫びと削除」をお願いするメールを送ります。
例:
「いつも大変お世話になっております。
△△商事のサトウです。
ヤマダ様、大変申し訳ございません。
先ほど、私から送信したメールですが、誤って送信したものでございます。
大変勝手なお願いではございますが、先のメールを削除していただけますと幸いです。
後ほど、あらためてお電話いたしますが、まずはメールにてお詫び申し上げます。
誠に申し訳ございませんでした。
よろしくお願い申し上げます。」
なお、お詫びのメールは件名に【緊急】などとつけると、相手にとってわかりやすいです。
ミスに気づいたら、1秒でも早く対応しましょう。