社会人として充実した日々を過ごすために、最も大切なのは「コミュニケーション」。
気持ちの良いコミュニケーションができないと、人間関係や職場の雰囲気が悪くなり、組織全体の業績まで悪化します。
それは職場の空気が悪いと、仕事への意欲や集中力が減退するからです。
粉飾決算などの不正で、経営が大きく傾いた企業は、たいてい職場のコミュニケーションに難があります。
雰囲気の悪い職場でイヤイヤ仕事をしながらも、業績だけは上げなければ・・・と、いつの間にか不正が横行。
ついには倒産という事態に発展します。
そう、コミュニケーションこそ「仕事の成功」のカギ。
ここでは、「コミュニケーション力を高めるコツ」や「気持ちの良いコミュニケーションをするコツ」をお届けします。
目次
挨拶に、ちょっと手を加えるだけで気持ちの良い職場に!
コミュニケーションの基本といえば「挨拶」。
笑顔で自分から「おはようございます」と挨拶をするのが、何よりも大切です。
でもここでちょっとした魔法を。
それは名前を呼ぶこと。
「スズキさん、おはようございます」などと名前を付けくわえると、「自分に関心を持ってくれている」「自分を認めてくれている」と相手は感じ、一気に良い気分に。
人間は「あなたは特別」と思ってもらえると、嬉しいものです。
職場の人間関係を良くしたい、自分のコミュニケーション力を高めたいと思ったら、挨拶に「名前」をつけ加えてみましょう。
目と体を相手にまっすぐ向ける
職場の風通しを良くするためには、自分をオープンにすることが大切です。
そのためには、上司や同僚に名前を呼ばれたら、すぐに目と体をまっすぐ相手に向けましょう。
「ハイ」と返事をしても、顔はパソコンのほうを向いたままだったり、顔はこっちを向いていても体をねじっていたのでは、どこか「イヤイヤ返事をしている」という印象を与えてしまいます。
返事をするときや、誰かと話すときは必ず「目と体をまっすぐ相手に向ける」ようにしましょう。
悩みや不安を素直に打ち明ける
仕事の悩みや疑問、不安があれば誰かに打ち明けてみましょう。
一人で抱え込むとストレスがどんどん膨れ上がり、取り返しのつかないことになります。
仕事の疑問や悩み・不安は、信頼できそうな人に相談しましょう。
思わぬ解決策や切り換え方を見つけることができ、心が軽くなります。
また、相手は「悩みを打ち明けてくれた」「頼ってくれた」と喜んでくれ、距離が縮まりますよ。
悩みやミスを打ち明けられたら、自分のミスも打ち明ける
社会人としてのキャリアが長くなると、後輩や部下も出てきます。
もし彼らが悩みやミスを打ち明けてきたら、自分の悩み・ミスも話しましょう。
「私も社会人になりたての頃は、こんなミスをしたよ」
「私もその頃は、同じようなことで悩んだよ」
ただアドバイスをするのではなく、自分のミスや弱みを交えてアドバイスをすれば、相手はホッとします。
そして、偉ぶることなく自分の弱みを見せてくれるあなたに対し、ますます尊敬の念を深くするでしょう。
リアクションは大きく!
職場のコミュニケーションを良くするコツは、リアクションを大きくすることです。
普段の雑談も「そうなんですか!」「すごいですね!」「知らなかった!」などとオーバーリアクションで。
会議などでは、誰かが良いアイデアを出したら思いっ切り拍手をしましょう。
テレビの人気司会者は、とにかくオーバーリアクションが特徴。
そうすることでゲストは話しやすくなり、雰囲気がどんどん良くなり、番組の人気も上昇していきます。
あなたもそれにならい、「ちょっと大げさかな?」と思うぐらいのリアクションを。
相手は「自分を認めてくれた」と感じ、嬉しくなります。
職場全体の雰囲気も盛り上がり、メンバーの士気も上がりますよ。
相手を気持ちよくする「仕事の断り方」とは?
仕事を頼まれたけど、できれば断りたい時ってありますよね。
「自分の能力ではできない」「今、多くの仕事を抱えていて無理」等々・・・。
時には休日出勤を突然指示されて、困ることもあるでしょう。
でも仕事を断ると、何だか人間関係にヒビが入りそうで不安ですよね。
ところが断り方次第で、その後の人間関係が良くなる場合もあるんです。
「人間関係を良くする断り方」には、コツが3つあります。
(1)断る理由を明確に告げる
仕事を断る際には、理由を明確に告げましょう。
例:
「現在、〇〇の仕事に取り掛かっておりまして、本日中に仕上げなければならないので難しいです」
「今週の土曜日は、家族で●●のコンサートに行く予定でして、なかなかチケットが取れないコンサートで子どもが楽しみにしているんです。大変申し訳ないのですが、今週の土曜日は無理です」
また、飲み会や食事に誘われた際にも、断る理由を明確に伝えます。
例:
「現在、〇〇の資格試験の勉強をしているので、早く帰宅したいんです」
「健康診断で血圧が高めだったので、外食は控えたいんです」
言いにくいかもしれませんが、理由を率直に言ったほうが意外と相手は納得します。
人間は「裏表のある人間」を嫌うもの。
断る理由はストレートに言った方が、相手はあなたに好感を持ち、その後の人間関係が円滑にいきます。
(2)「できること」を提示する
頼まれた仕事すべてを引き受けることはできないが、「この部分だけならできる」「この条件なら引き受けても良い」という場合もあるでしょう。
そのような場合は「全てはできないが、この部分ならできる」「明日までに仕上げるのは無理だが、一週間後ならできる」と返答してみましょう。
相手の依頼を全否定するのではなく、「ここまでならできる」というラインを引いて承諾すれば、相手は「自分の言い分が認められた」と感じ気分が良くなります。
(3)「次」を感じさせる一言を添える
仕事や飲み会を断る際には、「次」を感じさせる言葉を加えましょう。
「また、次の機会に」「今回はあいにくですが・・・」などと一言添えれば、相手は「自分を嫌いで断ったわけではない」と納得し、気分よく会話を締めることができます。
仕事を頼む時は「あなたの能力を信じている」旨を伝えよう
仕事を依頼する際は「あなたにこそ、この仕事をお願いしたい」と伝えましょう。
相手は「自分のがんばりや能力を認めてくれた」と奮起します。
そして仕事を仕上げてきた時には、オーバーリアクションで大いに褒めましょう。
万が一、ミスがあった時は「どうしたんだい? 君としたことが」と優しく言いましょう。
新人時代、この「君としたことが」と言われたのが嬉しくて、今や社長や会長になっているという人はたくさんいます。
部下を成長させるキーフレーズと思い、照れずに使ってみましょう。
誰かが疎外されないよう気遣いを
飲み会やパーティーなど大人数で話す場では、誰かが疎外されがち。
一人でもそういう人がいると、心の底から楽しめませんよね。
もし一人ぼっちになりそうな人がいたら、積極的に話しかけてみましょう。
たとえば新入社員や中途入社の人、非正規社員の人はポツンとなりがちなので、努めて話しかけるようにしましょう。
また、学歴などで差別が起こりそうな場合も気遣いが必要。
たとえば全員が大卒なのに、一人だけそうではないという場合もあります。
もし誰かが学歴の話などをしてきたら、うまくそらしてみましょう。
「私の最終学歴は〇〇自動車学校ですね」などと言うと、皆の心が和みますよ。
優しい言葉を使う
たまに起こる「SNSやブログの炎上」。
その原因は「言葉遣い」にあります。
キツイ言葉を使うと、中身はどんなに良いことを言っていても、人は反感を持ちます。
逆に優しい言葉には、優しい言葉が返ってきます。
相手が部下であっても年下であっても、優しく丁寧な言葉で接するようにしましょう。
世の中で成功している人の多くは、新人や若手の人に対しても礼儀正しく親切なもの。
誰にでも変わらず優しい人は、本当の意味で尊敬を集めます。
新聞や名著を読もう
コミュニケーション力を高める究極の方法は、新聞や名著を読むことです。
新聞を読むと話題が豊富になり、会話がはずみます。
また新聞は様々な人の考えを知ることができるので、視野が広くなり、寛大な人間になれます。
名著も同様。
語彙力がつき、話題も豊富になり、様々な人の気持ちや考えに思いをめぐらすことができます。
コミュニケーション力をつけるためにも、新聞や名著はできるだけたくさん読みましょう。
コミュニケーション力を高めれば、あなた自身も仕事をしやすくなりますし、職場全体の業績も上がります。
明るい表情と優しい言葉、そして人の痛みや望みに心を配れば、コミュニケーション力はグーンとアップ。
できることから少しずつ実践すれば、一年後には組織もあなたも驚くほど成長していますよ。