訃報を受けたら、あわてず騒がず慎重にふるまうのがマナー。
連絡をくれた相手は、心身共に疲弊しているもの。
落ち着いて行動し、相手の心を傷つけないようにすることが大切です。
ここでは、訃報を受けた際の行動や葬儀でのマナーを解説していきます。
目次
訃報を受けたら、まず上司に相談を
訃報を受けたら、「それはご愁傷様でございます・・・」と返事をし、以下の点を確認します。
- いつ亡くなったのか。
- 通夜・葬儀などの日程・場所。
詳細を確認後、「かしこまりました。ご丁寧にありがとうございます。お悔やみ申し上げます」と声をかけます。
同僚の家族など、親しい間柄なら「何かお手伝いできることはありますか?」と声をかけてみましょう。
その後、まずは上司に報告。
通夜から参加するか、葬儀・告別式には誰が行くのかなど細かい対応を職場で決めていきます。
親しい人なら上司に相談し、通夜から駆けつけても良いでしょう。
なお、電話で弔意を伝えるのはNG。
相手は葬儀の準備などで忙しいので、邪魔をしないようにしましょう。
お香典の準備
お香典の準備は、次の3つがポイントです。
(1)香典袋の選び方は?
宗教によって香典袋に書く言葉は違ってきます。
- 各宗教共通:「御霊前」
- 仏教:「御香典」
- 神道:「御玉串料」
- キリスト教:「お花料」
相手の宗教がわからない場合は、「御霊前」と書かれた袋を選べばよいでしょう。
なお、蓮の花が描かれている袋は仏教以外では使えません。
仏教かどうか定かでない場合は避けておきましょう。
(2)お香典の相場は?
お香典は新札ではなく、「使った形跡のあるお札」にします。
だからと言ってクチャクチャのお札では失礼。
新札に、一回折り目を入れた程度のお札が良いでしょう。
お香典の額は、だいたい以下の額が相場となります。
- 亡くなったのが上司、友人、同僚の場合:5千円〜1万円
- 亡くなったのが上司、友人、同僚の家族の場合:3千円〜5千円
- 取引先関係:5千円〜1万円
お札を入れる向きは、紙幣の顔部分が袋の下側に行くように。
さらに袋の表から見て、裏側を向くようにします。
(3)中包みの書き方は?
香典袋には中包みがあります。
お香典を実際に入れる袋です。
中包みは、表側には何も書きません。
その代わり、裏側には「お香典の金額」と「あなたの住所と名前」を書きます。
最近は、お香典を後から郵送する場合があります。
その際に、遺族に負担をかけないようにするためにも、住所と名前をきちんと書きましょう。
葬儀の服装はとにかく地味に
お通夜は亡くなってすぐに行なわれる場合が多いので、喪服でなくても「地味なスーツ」なら構いません。
なお、日頃から会社に喪服を用意しておくとスマートに対応できます。
葬儀に参列する場合は、きちんと喪服を着用するのがマナーです。
喪服を着る際には、以下のことに気をつけましょう。
(1)ストライプはNG。無地のダークスーツにする
男性のスーツはストライプが入ったものが多いですよね。
つい「色が地味ならストライプ入りでもいいか」と思いがちですが、それは厳禁。
スーツは、あくまで「無地のダークスーツ」で。
黒がなければ、限りなく黒に近いスーツにしましょう。
ネクタイ・靴下・靴も黒でそろえます。
(2)カラーシャツは×。シャツは無地の白を
ダークスーツの下に着るシャツは、白が鉄則。
カラーシャツは浮ついた印象を与えるのでNGです。
(3)女性は黒のワンピースかダークスーツで
女性は黒のワンピースか黒のスーツ、あるいは黒に近いダークスーツで参列します。
スカート丈は長めのものにします。
ブラウスは白が基本。
ストッキング・靴・バッグも黒で揃えます。
(4)アクセサリーは控えめに
葬儀に参列する際、アクセサリーは限りなく控えめに。
真珠の1連ネックレスなどに留めます。
指輪も結婚指輪以外ははずしましょう。
(5)髪・メイクも控えめに見えるものに
ロングヘアはお辞儀の際に見苦しくなる場合があるので、できれば1つにきっちりとまとめます。
ヘアアクセサリーは光沢のない黒色を選びます。
メイクも薄くするのが鉄則。
派手な口紅やマニキュアも厳禁です。
受付での対応
受付では、簡潔にお悔やみの言葉を述べます。
例:
「このたびはまことにご愁傷さまでございました。・・・謹んでお悔やみ申し上げます」
お悔やみの言葉を伝える際は、静かな声で消え入るように話します。
お焼香の作法
お焼香の仕方は宗教によって異なりますが、次のような流れが一般的です。
- 遺族と僧侶に一礼し、焼香台に進む。
- 焼香台の一歩手前で止まり、合掌して深く一礼する。
- 一歩進み、右手の親指・人差し指・中指の3本で香をつまみ、目の高さに上げる。
- 左の香炉に香を映す。(3)と(4)を2〜3回繰り返す。香を移す時は香が散らばらないよう、できるだけ香炉に近づける。
- 姿勢を正し遺影を見つめ、再度手をあわせる。
- 遺族と僧侶に一礼し、退場する。
なお神道やキリスト教の場合は、榊や花の向きを変えて祭壇に添えるなど作法が異なります。
通夜振る舞いでガツガツ食べるのはNG
通夜の席では、「通夜振る舞い」というもてなしの席が設けられます。
たいていお寿司などが用意されていますが、その席でガツガツ食べるのはNG。
少し箸をつける程度にとどめ、長居しないようにしましょう。
騒いだり笑ったりするのも厳禁です。
席を立つ際には、周囲の人や遺族に挨拶をします。
お悔やみの席は、慶事の何倍も慎重さが求められるので緊張するものです。
でも、最低限のマナーと、遺族の方への思いやりを持っていれば、失礼な行動をとることはまずありません。
不安な時は上司や先輩、あるいは総務部の人などに指示を仰ぐと良いでしょう。