お客様をご案内する時、最も大切なのは「お客様を不安にさせないこと」。
たとえば、いきなり「2階の会議室に行ってください」などと言われたら不安になりますよね。
応対するあなた以上に、お客様は緊張しているもの。
決して「いったいどこに行けばいいのだろう」「どこに連れていかれるんだろう」などと不安にさせてはいけません。
お客様が「あなたの会社を訪問して、とても良い気分になった」と思ってくれるよう応対しましょう。
目次
1.お客様のご案内、この4つがポイント!
お客様をご案内する時は、次の4つを心がけましょう。
(1)明るい笑顔で接する
不愛想・無表情で出迎えると、お客様は不安になります。
必ず明るい笑顔でお迎えしましょう。
(2)迅速に応対する
お客様は、待たされると不安に感じます。
スピーディーに応対するよう心がけましょう。
(3)名前などを正確に聞き取る
お客様の社名や名前、担当者の名前などを正確に聞き、笑顔でハッキリ復唱確認を。
復唱することで、お客様は安心します。
(4)丁寧に応対する
お得意様や顔なじみの人でも、ビジネスシーンであることを忘れず丁寧に接しましょう。
なれなれしい態度は、お客様だけでなく職場全体の雰囲気も悪くなります。
2.シーン別:ご案内の仕方
お客様をご案内する際は、まず「行き先を明確に告げる」ことが大切です。
例:「お待たせいたしました。3階の応接室にご案内いたします」
その際、お客様が大きい荷物を持っている場合は「お荷物をお持ちしましょうか」などと一声を。
ただし重要な荷物の場合、「他の人に持ってもらいたくない」という人もいます。
決して無理強いはしないようにしましょう。
ではここからは、ご案内の仕方をシーン別に解説していきます。
お客様をご案内する場面は、主に次の3つです。
- 廊下
- 階段・エスカレーター
- エレベーター
それぞれについて「ご案内の仕方」を説明します。
(1)廊下
廊下でご案内する際は、歩く位置が重要。
お客様には廊下の中央を歩いていただき、案内人はお客様の右斜め前方を歩きます。
お客様の歩調に合わせ、時々振り返り、お客様の様子を確認しながらご案内します。
その際、さり気なく天気の話などをすると、お客様の心が和みます。
廊下を曲がる時には、お客様に対して手の平が向くようにして、「こちらでございます」と曲がる方向を指示します。
その際、指先をきちんとそろえましょう。
(2)階段・エスカレーター
階段に手すりがある場合は、お客様が手すり側を歩けるようご案内します。
また、階段・エスカレーターでご案内する際、迷うのが「どちらが上で、どちらが下なのか」ということ。
つまり「お客様と案内人、どちらが上に立つべきなのか」ということです。
一見、「お客様を上に」と思いがちですが、実はビジネスシーンでは少々ご注意を。
あくまで「ご案内する」のが目的なので、「案内人が先に立つ」のがポイント。
上がるときは「案内人が先、お客様は後ろ」、下りるときは「案内人が先、お客様は後ろ」となります。
つまり上がるときは「案内人が上で、お客様は下」、下りるときは「案内人が下で、お客様は上」になります。
なお、いきなりお客様より先に行くのは、ちょっと失礼。
階段やエスカレーターの上がりはじめ・下りはじめは、必ず「お先に失礼いたします」と声をかけましょう。
その際、「お足元にお気をつけください」などと一言添えると、好感度がグンとアップします。
(3)エレベーター
エレベーターでのご案内は、いくつか注意点があります。
- 乗る前は、案内人が上下ボタンを押す。
決してお客様に押していただくことのないよう、スピーディーに動きましょう。
- 「乗るとき」は、乗っている人の有無によって応対を変えよう。
エレベーターに乗るとき、中に誰も乗っていないか、すでに誰かが乗っているかによって応対が変わってきます。
- 中に誰も乗っていない場合
お客様に「お先に失礼いたします」と断りを入れ、案内人が先に乗ります。
空っぽのエレベーターに、お客様を1人で乗せる瞬間がないように注意します。
中に入ったら「開」ボタンを押し、もう片方の手でドアを押さえながら、お客様に入っていただきます。
- 中に誰かが乗っていた場合
中に誰かが乗っている場合は、お客様から先に乗っていただきます。
「どうぞ」と声をかけながら手でエレベーターの中を示し、お客様に乗っていただきます。
その際、必ずドアを押さえておきます。
中に入り、操作盤の前に立ったら、行先階のボタンをすぐに押します。
誰かが操作盤の前に立っていたら、「失礼いたします」と会釈をし、自分で行先階を押します。
エレベーターが混雑していて、どうしてもボタンが押せない状況の場合は、「恐れ入りますが、6階のボタンを押していただけますでしょうか」などと声をかけます。
なお、あまりにも混雑している場合は、やり過ごして次のエレベーターを待ちましょう。
エレベーターが行先階に着いたら、「開」のボタンを押し、もう片方の手でドアを押さえます。
「お先にどうぞ」と声をかけ、お客様に先に降りていただきます。
案内人は、降りたらすぐお客様の右斜め前へ。
「廊下でのご案内」と同様の動きで、目的の場所までご案内します。
3.お見送りも気を抜かずに!
さて、お客様をお迎えしたら、次はお見送りが待っています。
もしあなたがお見送りすることになったら、次の2点に注意しましょう。
(1)外に出る前にコートを着てもらう
お客様は基本的に、外でコートを着脱します。
でも寒いなか、コートを着ずに外に出させてしまうのは申し訳ないですよね。
お客様がお帰りの際には、「コートをお召しください」と声をかけましょう。
(2)エレベーターの前で再度お辞儀をする
お客様がエレベーターに乗って帰られる場合は、エレベーターホールまでお見送りします。
エレベーターのドアが完全に閉まるまで、深くお辞儀をしてお見送りしましょう。
お客様の応対は、「会社の顔」としての責任重大。
でも、思いやりともてなしの気持ちがあれば、きっとお客様にも通じるはず。
基本的なマナーと、お客様を大切に思う気持ちを持って、笑顔で明るくご案内しましょう。